週末ユーロステップ

川崎ブースターがBリーグ/高校/大学など、日本のバスケについて書いていきます

【川崎】18-19シーズンの振り返りと来季に向けて

皆さんこんばんは、TAMAIと申します。

 

平成の時代も終わりを告げ新元号・令和が始まり3週間弱、皆様はいかがお過ごしでしょうか。3季目となったBリーグのCSも「新時代の頂へ」といったキャッチコピーを掲げ各地で熱い戦いが繰り広げられましたが、ファイナルでは東京が千葉の猛追を振り切り見事連覇を成し遂げました。

 

そしてだいぶご無沙汰していた当ブログですが、 CS・QFでの川崎敗退の事実を受け自分なりに今シーズンを振り返ろうと思い立ち3ヶ月と10日振りに更新します。内容としては以前から書いている通り"140文字では書き切れない川崎のバスケに対する超個人的で勝手な考察"となりますので、それを念頭に置いた上でこんな考え方もあるんだなぐらいのスタンスで読んで頂けると嬉しい限りです。

 

またこの記事を書くにあたり例のごとく選手名は全て敬称略で表記しているのと、あとは内容的に良くなかった点にも言及しているためチームや特定の選手へ傾倒している方はもしかしたら気分を害されるかもしれませんが…特に非生産的な批判をしたいわけではないので悪しからずご了承ください。

加えてこちらも内容に関してですが相対的に比較をした方がわかりやすいので、勝手に選んだ今季の三強【千葉/栃木/東京】と比べながら書いていければなと思います。

 

 

1.Bリーグ開幕以降の成績

18-19シーズンの振り返りとしてはいるものの、今季から応援していますという方もいらっしゃるかなというのとあとは比較も兼ね、まずはBリーグ3シーズンの成績をとても簡単にですがまとめてみました。

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 ストレートな見方をすると順調な下り坂という感じもしますが、個人的には"横ばい"という表現が一番適切な気がします。と言うのもこれまでの川崎はコアメンバーの入れ替わりが無かったため大幅な戦力ダウンはありませんでしたが、一方でそのメンバーを主体とした戦術等もあまり変えてこなかった印象があります。その結果シーズン毎に成長や良い意味での変化を続けるトップ層のチームに、少し置いていかれてしまったかなぁというのが正直な感想です。

 

2.今季の成績の要因

ではその要因はどんな部分にあるのか、という点を具体的に見ていければと思います。

 

2-1.ベンチメンバーのパフォーマンス

セカンドユニットが中心になっている時間帯のスタッツ等を細かく比較とまではいかないものの、一つの指標となるデータがありますのでそちらを元に書いていきます。

下の表はRSの各選手の平均出場時間・出場試合数(うちスタート)で、これは僕の勝手な定義ですが平均で10分以上出場している場合は"ローテーションを守ることができた選手"として色を付けています(10分では少し甘いような気もしますが…)。

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 その人数が川崎の"7人"に対して冒頭で挙げた3チームはというと…

千葉:10人/栃木:9人/東京:10人

と2~3人の差があります。この3チームの試合を観戦していて「誰が出てきてもバスケットのクオリティ・強度が落ちない」と感じられた方もいらっしゃるかもしれませんが、この部分はチームとしての力の差が顕著に表れていたと思います。

 

また川崎の強さと言えば、流れるようなボールムーブがベースにあるチームオフェンスが一つ挙げられると思います。ただそれも長年主力としてチームを支えているメンバー、具体的には【篠山/辻/長谷川/藤井/ファジーカス】の5人のうち何人かがコートに立っていない時間帯では、鳴りを潜めてしまうことの方が多かったと感じています。

 

2-2.オフェンスリバウンドへの意識

 こちらについてはシーズン中も「なぜORに絡まないんだろう」という嘆きをTwitterでもよく拝見していましたが、僕の勝手な意見としてはチームとしての戦略だったのかなと考えています。

なぜそう考えるのか…という理由についてこれは持論もいいとこなんですが例えば"ORを取って得られるリターン"と、"取りにいった結果ハリーバックができず速攻を受けるリスク"、この得点(または失点)の絶対値はどちらも同じ"2"か"3"になると思います。ではこれは数値化は難しいですが、"ORから得たセカンドチャンスで得点すること"と"相手の速攻から失点すること"、どちらが流れをもたらすのかまたは失うのか、それを今季のメンバーも考慮して天秤に掛けた結果「ORはいけたらいこう、ただ無理してカウンターを食らうぐらいなら戻ること」という共通認識になったのではないかと推測しています。とてつもなくわかりにくい前置きになってしまいすみません。

 

ただこの川崎のスタンスと比較して今季の上位チームはどうだったでしょうか…ビッグマン以外も積極的にORへ絡み、かつ取れなかった場合でもDRを取ったプレーヤーへプレッシャーをかけてOFのスタートを遅らせ、さらに周りはしっかり戻っているという、いいとこ盛りだくさんの全部乗せラーメンみたいなことをそこそこの頻度で遂行していた印象があります。

 また数試合の結果を切り取ったところで…とも思いますがSFの千葉ー栃木(2試合)、ファイナルの千葉ー東京はトータルリバウンドの数がそのまま勝敗に直結しています。一応こんな感じです。

 

・SF GAME1:千葉49/栃木39

・SF GAME2:千葉43/栃木30

・ファイナル:千葉36/東京49

 

なので恐らく川崎も来季はこの部分を従来通りとはせず、課題意識を持って改善していくのではないかと考えている次第でございます。一応全部乗せラーメンの画像も載せておきますので、よろしければ上記のリバウンド数との比較にご活用ください。

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2-3.エースの支配力低下

 川崎のエース…と言えばここ数年は辻・ファジーカスがその役割を担ってきましたが、特に今季は2人の苦戦がチームにも大きな影響を及ぼしていたと思います。

 

要因として辻は故障が続いたこととファジーカスはシーズン開幕前に足首の手術を行い、2人ともコンディションが上がりきらなかったという点が挙げられます。またこれまでとの大きな違いがもう1つ…ファジーカスが2018年4月に日本国籍を取得し代表に加わったことで、普段はライバルとしてBリーグでしのぎを削っている代表の選手達とチームメイトになりました。さらにすぐにOFの中心になった彼の長所を生かすセット(Flexからローポで受けてうんぬんというプレーその他)も取り入れられ、そうすると得意なプレーと苦手なプレーについて周囲からの理解も深まります。その結果リーグでは各チームが明確な対策をより立てやすくなった…という背景もあったのかもしれないなと考えています。

 

そして上記2点に加え基本的には徹底マークを受けるのがエースの宿命なので(これは他チームも同様ですが)、思い描いていたシーズンとのギャップはこういった部分に起因していたのではないでしょうか。

 

3.来季の脱・無冠に向けて

さて、こちらでは19-20シーズンに向けてというテーマで簡単に書いていければと思いますが、川崎はGW明けから続々と選手・スタッフの契約情報が出ていました。中でも北新GMの"HC退任→GM就任"というタワー・オブ・テラーのようにアップダウンの激しい発表に対しては、Twitterでも落胆からの歓喜や安堵など多くの反響があったようにお見受けしました。

また5/17に行われた北GM・佐藤HCの就任会見の様子については、各メディアが細かく書いてくださっています。

 

加えて必要かはわかりませんが、現時点(5/19)での契約状況も参考資料的にまとめています。

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ここから補強のお話もしたいのですがもう一点前置きがありまして…会見の場で佐藤HCは「ブラッド・スティーブンス(ボストン・セルティックスHC)のように穏やかで論理的なコーチングをしていきたい」とお話をされていたようです。ちなみに僕はNBAは超絶にわかなんですが、そのスティーブンスHCが提唱している説に"現代バスケにはハンドラー/ウイング/ビッグマンの3つのポジションしかない"というものがあるらしく…つまりそれは「ポジションレス化が進み5つ(PG/SG/SF/PF/C)に分ける必要なんてない」という考えなんだろうな、ということで現行メンバーをその3つに分けた上で補強についておおざっぱに考えていきます。

 

ハンドラー(ピック&ロールの起点になれる)

篠山/辻/藤井/青木

ウイング(オフボールで動いてキャッチから得点)

長谷川/林/(辻)

ビッグマン(スクリーナーになれる、ゴール下で頑張る)

ファジーカス/鎌田

 

ハンドラーは潤沢と見せかけて辻が恐らく開幕に間に合わないことや、またウイングも筑波大の増田が仮に正式加入するとしても年明け頃になることを考えると、日本人選手の補強ポイントとしてはハンドラーとウイングの1人ずつでしょうか。加えて外国籍はレギュレーションが変わらなければ3人獲得の方向かと思いますが、北GMはファジーカスとの相性を重視し共存できる・無いものを補える選手が必要と考えているそうです。なのでビッグマンの枠は走れるリムプロテクター系が1人と、あとは主戦場をゴール下にしつつペリメーターぐらいまではシュートが打てる(PnRの選択肢を広げられる)タイプが来てくれたらなぁ…と完全に妄想ですが勝手に考えています。

 

とここまでいつものツイート以上に中身の無い文章を書き連ねてきましたが…クラブ創設70周年という節目を迎える来季、伝統と変革をキーワードに掲げる新生川崎は"常勝軍団の復権"という福音をBリーグの舞台でとどろかせてくれるのでしょうか。全然上手くまとまっていませんが、とりあえず僕はそんなことを期待しながら応援していこうかなと思っています。

例のごとくだいぶ長くなってしまいましたので、当事者意識が過度に高いタイトルになったことを反省しつつこの辺で終わりに致します。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!